グイン・サーガ・エッセイ


グイン・サーガとの出会い

 わたしが、この小説と出会ったのは、1982年4月。
 高校3年になってすぐの時でした。
 当時、「文芸部(超マイナー)」の部長をやっていた私は、当時の新入部員から、
このグイン・サーガ・シリーズを紹介されました。
 「普段、どんな小説読んでるの?」とたずねた私に、間髪入れず、
 「グイン・サーガです!!」と答えた新入部員は、「?」という顔をしている私に、
 「明日持ってきますから、是非読んでください!!」と、さらにたたみかけるように
半ば強制的に、グイン・サーガの布教活動を始めていたのです。

 で、実際に次の日は、借りた1巻と2巻を自宅に持ちかえって、当時は暇だった
ので、とりあえず、その日のうちに両方とも読み終えて、翌日、本を返しにいくと、
さらに、3巻と4巻を受け取る破目になっていました。
 その彼女に、「これ何巻まであるの?」と聞くと、「実は、9巻まで出てて、100巻
まで続く予定だ」と言われてしまったのです。

 その当時は、小説の世界に、ライフ・ワークというスタイルがあることを知った時期で、
平井和正の「幻魔大戦」や半村良の「太陽の世界」、ペリー・ローダン・シリーズなどを
読んでいたので、特に驚いたわけではないのですが、「こいつは、はまったな...」
と正直思いました。
 結局、1週間もかからずに、「紅蓮の島」まで読み終え、それから、1ヶ月もせずに、
「死の婚礼」が発売され、もちろん迷わずに買ってしまいました。
 今確かめると、この「死の婚礼」が初版で、昭和57年5月15日発行となっています。


 

グイン・サーガ増刊号について

1982年12月。「栗本薫/グイン・サーガの世界」がSFマガジン臨時増刊号として発売されました。
この本を読んで、グイン・サーガファンクラブなるものを知り、また、さまざまな識者の方が、この物語
に魅せられていることも、ミニコラムでわかりました。
でも、なんといっても笑わせてくれたのが、十五月(つなし・さつき)氏書くところの「生物図説」でした。
まだ、辺境編(1から5巻)の印象が強かった時期でもあり、この記事の内容がさりげない語り口であ
りながら、とんでもない考察を展開しているというのが、とても楽しませてくれました。

特に、「グインサーガハンドブック」では、ビッグマウス(大口)のことを、
>>”名のとおり大きな牙の生えた口の形をし、目や第2の口や舌はその口の奥にある”
といってるだけなのに対し、
>>”身体の全器官を口の中に納めているという”
という解釈のもと、生殖器や肛門まで口の中...などとまで言及しております。

今、自分なりの主要キャラクター表を作っていますが、グインサーガに登場する怪物たちの紹介も、
していきたいと思います。もっとも、十五月氏ほどの文才はありませんので、あくまでも私自身の主観
によりますが....ところで、この十五月氏、今はどうされているのでしょうか?
この時は、ファンクラブ「傭兵騎士団」の会誌「アムネリス」に記事を書いていらっしゃったのですが、
16年を経た今も変わらずに活動されているのでしょうか?
 この記事をご覧になったご本人、またはご本人をご存知の方、メールなどいただけるとうれしいです。

 


 

栗本薫先生との出会い

だいぶ以前で、記憶が不鮮明なのですが、小学館の小学館漫画賞授賞式に潜り込んだことがありま
して、栗本薫先生とすれちがったことが1回だけあります。
もちろん、話し掛けられなかったんですが、

「いつも、グインサーガ読んでます。ファンレターも2回ほど出した○○です。」

と言い出したいのを必死にこらえていました。

確か、弘兼さんが「人間交差点」あたりで受賞されていました。それくらいの時期のことです。
ファンクラブなどへは、度胸がなくて入ることができず、ただ、ファンレターなどを出しているだけのファン
でしたが、今でもグインサーガを読む時は、初めに手に取った時の気持ちを思い出すことができます。

 


 

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